ICLの承認内容を添付文書で確認する
ICLは医薬品医療機器等法にもとづき承認された「有水晶体後房レンズ」です。PMDAで公開されている添付文書には、使用できる年齢・度数、禁忌、起こり得る不具合が書かれています。
情報の確認日:2026年10月13日
承認の基本情報
| 項目 | 添付文書の記載 |
|---|---|
| 販売名 | アイシーエル |
| 一般的名称 | 有水晶体後房レンズ(高度管理医療機器) |
| 承認番号 | 22200BZY00001000 |
| 製造販売業者 | スターサージカル株式会社 |
| 版 | 2025年3月改訂(第10版) |
同じ一般的名称で、中央に孔のあるモデル「アイシーエル KS-AquaPORT」(承認番号22600BZX00085000)も登録されています。添付文書のURLは改訂のたびに変わることがあるため、リンクが開けない場合はPMDAの医療機器 添付文書等情報検索で販売名から検索してください。
使用目的(対象となる年齢・度数)
| モデル | 対象 | 年齢・度数の条件 |
|---|---|---|
| ICM(近視用) | 屈折異常眼(近視)の視力補正 | 21歳〜45歳、術前等価球面度数が−6.0D以上の強度近視、かつ円柱度数が+2.5D以下 |
| TICM(乱視用) | 屈折異常眼(近視性乱視)の視力補正 | 21歳〜45歳、術前等価球面度数が−6.0D以上の強度近視、かつ円柱度数が+1.0D〜+4.0D |
医療機関の料金表には−3Dや−4Dといった度数区分が並んでいますが、これは料金の区分です。添付文書の使用目的や学会ガイドラインの適応とは別の物差しなので、混同しないようにします(年齢の目安)。
禁忌・禁止の例
- 21歳未満
- 術前1年以内の屈折変化が0.50Dを超える患者
- 前房深度が2.8mm未満
- 角膜内皮障害
- 所定の講習を受講した眼科専門医以外は使用しないこと
使用上の注意には、年齢別の角膜内皮細胞密度の目安(21〜25歳で2,800個/mm²、36〜45歳で2,200個/mm²など)も示されています。
重要な基本的注意
添付文書は、挿入後に角膜内皮細胞密度が減少する危険性があること、不適切なサイズのレンズを挿入すると水晶体混濁・眼圧上昇・色素散乱を起こす危険性があるため術前検査を慎重に行うことを求めています。サイズ選びのための測定が、適応検査で時間をかけて行われる理由の一つです。
添付文書に列挙される有害事象(抜粋)
| 分類 | 主な項目 |
|---|---|
| 角膜 | 角膜浮腫、角膜炎、角膜内皮障害、角膜代償不全、角膜混濁 |
| 眼圧・炎症 | 眼圧上昇(一過性を含む)、続発緑内障、虹彩炎、ぶどう膜炎、眼内炎 |
| 水晶体・網膜 | 水晶体混濁及び白内障、網膜剥離、黄斑浮腫など |
| 見え方 | ハロー、グレア、複視、夜間視困難などの自覚症状、予想屈折値誤差、乱視増加 |
| レンズ | レンズの偏位・回転、ボールティング過多/不足、レンズの摘出/再挿入 |
列挙は起こり得る事象の一覧で、頻度を示すものではありません。自分の目でどの程度の可能性があるかは、検査結果にもとづいて担当医から説明を受けます。
費用の見方との関係
保証の「レンズ交換」「位置調整」「抜去」は、添付文書にある「レンズの偏位・回転」「摘出/再挿入」と対応します。保証の対象・期間を比べる方法は 保証の範囲 を参照してください。
相談先・申込先の選び方
手術を検討する医療機関には、使用予定のレンズの販売名と、添付文書の使用目的の範囲内かどうかを尋ねることができます。添付文書の範囲外で使う場合は、その理由とリスクの説明を求めましょう。医療機関の基本情報は医療情報ネット(ナビイ)で調べられます。
- PMDA:アイシーエル 添付文書(承認番号22200BZY00001000、2025年3月 第10版)
- PMDA:医療機器 添付文書等情報検索
- 日本眼科学会 屈折矯正委員会:屈折矯正手術のガイドライン(第8版)PDF
- 日本眼科学会:有水晶体眼内レンズ(一般向け解説)
確認日:2026年10月13日。添付文書は改訂されるため、PMDAの検索画面から最新版を確認してください。
費用だけでなく、相談先と注意点も知りたいね。